なにぬの屋
@mrjackson

気仙沼の報告と劇団そら

今日は今年度最初の劇団そらの活動日でした。(もう知っている人には繰り返しになりますが「劇団そら」は世田谷区内にあるプレーパークに集まる子の中に「演劇やりたい」という声があがり、「とにかくゼロから劇を作りたい」「ひとりひとりが印象に残る劇にしたい」などの要望から、私が講師として関わる事になった、子ども達の劇団です。月1〜2回活動、小学生から高校生まで13人くらい。)
講師と言っても、「教える」という感じではないので今日も、まずは最近の近況のお喋りから(みんないっぺんに話すからうるさい(^-^;)
それから、言葉遊びをしました。「げきだんそら」を並べ替えて違う言葉を作ってみよう…
出来たのが「元気だ!そら!」…他にも自分のフルネームを使って並べ替えたり、変な文を考えたり…まぁこんな風に遊んでいるうちに、おやつタイム(笑)
でも今日は私が気仙沼に行ってきた話をちょっと報告しようと思い、おやつタイムに私から話を始めました。
いや、大人への報告は「子どもにとって遊びは重要です」とか「遊ぶ事で自らを癒しています」なーんて〔したり顔〕で話しているのに、さて、子どもにはどう報告するんだ!?と、ふと疑問に思ったものですから(^-^)劇団そらの子ども達とは、もう5年目。話を聞き合う関係は出来ているんだから、ちゃんと聞いてもらおう!と。
私が気仙沼に行ってきた事で質問はある?と聞くと
「壊れた家見た?」「お金落っこってた?」ちょっと、ふざけ気味の男の子。
「テレビで見るあのガレキは目で見るとどのくらい広がってるの?」と真剣な女の子。
何でも聞いていいと言ったので、ひとつひとつ答えました。
「私が見た時はお金は落ちてないけど、そうだね、色々なものがむきだしになってた」「んじゃ、盗みたくもなるよね、俺盗んじゃうかも」
「今この窓(練習場所の区民センター)から見える風景があの木の辺りまで全部ガレキでね、見えないはずの海が見えちゃう場所があったよ」
「え〜そんなに」
ひとりの女の子が「被災地の大人と子どもはどのくらい悲しいの?」と質問してきた。
これ質問なのか…問いかけなのか…もちろん返答に困ってしまった。
「どのくらい…どのくらい…かぁ」と皆で一瞬上を向いて考えた瞬間のあと、私がぽつぽつ話始めた。その説明は、事実や状況の説明だからただの報告でしかない。でも「どのくらい悲しい」のだろう…という想いで話を聞く子ども達に、報告する私の気が引き締まる想いだった。私も一緒に「どのぐらいだろうね」と考えていなければ、この話は伝わらないのだ。
また「大人と子ども」とわざわざ分けて聞いたのも意味があったんだろう
大人の状況を説明した時に(行方不明の方を捜したり、ガレキを片付けたり、仕事を探したり、書類を申請したり…大人のやらなければいけない事はキリがない)
「大人がそんな状況だと子どもは大変だろうな」という事を口々に言っていました。
劇団そらの子ども達と、被災地の話をこんなふうに出来たのは、私が思う以上に子ども自身が「劇を作る」という事から「話を聞く事、興味を持って聞く事、想像する事」などを吸収しているからだと思う。
いつもはうるさくてしょうがないけど、今日は私の話を聞いてくれて、自分達なりに受け止めてくれてありがとう。
渋沢やこ
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